【国語力=演技力】声優を目指す方が学校の勉強を頑張ると得する理由

【国語力=演技力】声優を目指す方が学校の勉強を頑張ると得する理由 声優雑学
この記事を書いた人
chikamichi(ちかみち)

【自己紹介】
・現役声優(活動歴10年ほど)
・普段はサブカル好きの男性
【実績】
・アニメ(テレビ、映画)
・外画吹替
・ナレーション(番組ナレ、CM)
・ゲームボイス
・朗読、ラジオドラマなど
声優志望者や演技初心者に向けて、自分の体験に基づいた情報を発信しています。

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こういった悩みを持つ方向け
  • 声優になるためには学校の勉強って必要?
  • 声優になるうえでやっておくべき学校の勉強が知りたい
  • 声優を目指すなら「国語の授業を頑張ろう」と耳にしたけど、なぜ?

声優を目指す中学生や高校生の方で「声優になるんだったら、学校の勉強をする意味がないんじゃ?」と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。

僕は声優歴10年以上の男性声優chikamichiです!

「声優になるなら学校の勉強よりも声優の勉強に時間をつかったほうが有意義ではないか」と僕も学生のころに考えることはありました。

しかし、声優として活動するなかで学生時代にマジメに勉強していて良かったなと思う機会は多いです。

そこでこの記事では、学生さん向けに中学や高校の勉強が声優に役立つ理由や学校の授業のなかでとくに勉強しておくべき内容をまとめて解説します。

本記事で紹介する内容
  • 声優を目指すなら学校の勉強は頑張ったほうがおトク
  • 国語の授業は声優の仕事に直結するのでオススメ
  • 声優に役立つ国語の授業内容まとめ

この記事を読めば、学生のうちから他の声優志望者に差をつけるためにやるべき学校の勉強が全て分かります。

声優になるための10の方法

マイクを手に入れよう
実は養成所ではマイク関連のレッスンがほぼありません。なので声優志望さんは1万円台でよいので自主練用のマイクを持っておきましょう。普段からマイクを使って練習しておけば、自分の声の特徴(マイク乗りなど)を早くから知れます。オススメなのはAudio TechnicaのAT2020。安価ながらも性能が良く、初めてのマイクに向いています。

声優を目指すなら学校の勉強は頑張ったほうがおトク

たくさんの本

声優を目指す方は中学・高校の勉強をマジメに取り組んだほうが声優になってから得をします

なので「声優になるから、学校の勉強は必要ない」なんて考えはやめましょう。

なぜ学校の勉強をやるべきなのかというと、声優の仕事ではいろいろな知識が求められるからです。

どういった知識がどういう場面で求められるかを具体的な例を挙げて紹介します。

  • アニメ作品や外画作品の題材として日本や世界の歴史知識が必要な作品は多い
    例:戦国武将が題材のアニメ、世界大戦が題材の映画
  • ナレーションでは様々な内容を扱うので、取り扱う内容の知識が必要になる
    例:全国の観光名所を扱う番組ナレーション、絵画作品を紹介するナレーション

こういった仕事を依頼されたときに、取り扱っている内容の知識がないことは致命的です。

よく分からないものを演じることも紹介することも、絶対に上手くはいかないからです。

もちろん、声優の仕事をしていくなかで、自分が全く知らない内容を取り扱うことは多々あります。

そういったときは自分で調べて、内容を理解する作業を必ずおこなうべきです。

これは優秀な声優やナレーターに必須の習慣ですので、絶対に覚えておいてください。

社会(日本史、世界史)などの知識を蓄える教科の勉強は声優の仕事でも一般教養として求められることが多いので勉強しておくと役立つ

学生の本分は「勉学」だから絶好の勉強時間が確保できる

学生のあいだは勉強に時間をいくら使っても怒られることはありません。むしろ褒められる行為でしょう。

それは学生の本分が勉学だからです。学生が勉強に時間を費やしても誰も反対する人はいません。

つまり学生期間とは学校の勉強を好きなだけ学べる期間なのです。

知識を学ぶことは学生の時期でなくても可能です。しかし大人になると勉強の時間を確保するのがなかなかむずかしくなります

本格的に声優の勉強を始めるとそちらに力を入れがちになってしまいますし、ますます学校の勉強をする機会はなくなっていきます。

なので学生のあいだに学校の勉強に力を入れることは声優になるうえでも無駄ではないと僕は思っています。

国語の授業は声優の仕事に直結するのでオススメ

矢印

学校の勉強は声優になるうえでも大切ですが、とくに力を入れて勉強すべき教科は「国語」です。なぜなら国語で学ぶ内容は声優の仕事に直結するものばかりだからです。

というか「国語力が高い=声優の素質が高い」といっても過言ではありません。台本のセリフや、ナレーションの原稿を読み解くためには国語のスキルが必要不可欠です。

  • 国語の勉強
    ⇒声優の演技や表現力に直結する能力が身につく
  • 国語以外の教科
    ⇒声優としての活動の幅を広げてくれる(得意なジャンルが増える)

「学生のころから声優の勉強に集中したい」という方も、国語の授業はしっかりと受けるべきです。国語の授業には声優の演技レッスンの要素が多く含まれています。

声優に役立つ国語の授業内容まとめ

アイデアを得ている少年

国語の授業がどういう風に声優のスキルに関係するのか4つにわけて説明していきます。

  1. 漢字が読めるようになる
  2. 言葉の意味が分かるようになる
  3. 人前で文章を読む経験が積める
  4. 文章の意図を読み解く力がつく

①漢字が読めるようになる

国語の授業では漢字を習います。セリフや原稿には当然漢字がつかわれていますので、漢字が読めないとスムーズに作業を進めることができません

しかし僕が声優の勉強を始めたころに驚いたのが、周りの声優志望者がことごとく漢字を読めなかったことです。レッスンで新しい原稿を渡されても漢字が読めないので、スラスラ読むことができません。

技術的に原稿を上手く読めないのは仕方ありませんが、漢字が読めないせいで言い淀んでしまうのは本当にもったいないです。

意外に思うかもしれませんが、「漢字が読める」ということは声優になるうえでかなり優位にたつことができる要素になります。漢字が読めるだけで相対的に周りの声優志望者にリードできるのです。

もちろん、声優の仕事をしていると読めない漢字は出てきます。とくに地名、人名は初見じゃ分からないことが多いです。

そんな時は絶対に辞書を引いて調べましょう。「分からないことは自分で調べる」は鉄則です。今はスマホでも調べられる便利な時代になったのでぜひ習慣化を目指してください。

②言葉の意味が分かるようになる

国語の授業ではいろいろな言葉の意味が学べます。セリフや原稿の漢字が読めても、意味が分からなくては言葉のイメージができません

とくにことわざや慣用句、四字熟語はよく出てくるので、一通り覚えておいて損はありません。

  • 【ことわざ】
    石橋をたたいて渡る…用心に用心を重ねること
    青天の霹靂…予期しない出来事が起こること
    良薬は口に苦し…自分のためになる忠告は素直に受け入れにくい
  • 【慣用句】
    えりを正す…気持ちを引き締めて、人や物に接すること
    天狗になる…得意になり、調子にのること
    枕を高くする…安心すること
  • 【四字熟語】
    一期一会…一生に一度だけの機会のこと
    四面楚歌…周囲が全て敵や反対者で孤立した状態のこと
    八方美人…誰からもよく見られたいと愛想よく振舞うこと(悪い意味で使う)

言葉自体は聞いたことがあっても、しっかりと意味を理解していない場合も案外多いです。こういった場合も辞書やネットで絶対に調べましょう。

③人前で文章を読む経験が積める

国語の授業では音読の時間があります。音読するときは先生やクラスメイトに向けて文章を読むと思いますが、たくさんの人に向けて文章を読む経験は声優を目指すうえで大切なことです。

独学で声優の勉強をしていた方が、専門学校や養成所で学ぶようになってから戸惑うことがあります。それはみんなに見られている状況で演技したり、文章を読むことです。

独学で勉強していたときは誰かに聴かせることを全く経験していなかったり、完成した自信作のみを公開していたという方が結構多いです。

なので他人に見られていること、聴かれていることにストレスを感じたり、上手くできていない姿を見られることに恥ずかしさを覚えてしまいます。

この解決法は「数をこなす」ことが手っ取り早いです。何度も何度も人前で発表することを経験して慣れるしかありません。

人前で発表する経験を、声優の勉強を本格的にスタートする前から積んでおくことは、短期間で成長するためのカギになるのでオススメします。

④文章の意図を読み解く力がつく

声優やナレーターには文章の意図を読み解く力が必須です。この力がないと、ただキレイに文章を読むだけで結局は棒読みのようになってしまいます。

なぜなら文章の意図が理解できないと、文章を「言葉」ではなく「音」にしか変換できないからです。文章を「音」に変換しても意味を乗せることはほとんどできません。

この力を養うために、国語のテストでよくある「作者の気持ちを答えよ」という問題が役立ちます。なので声優を目指す方はこの問題を得意分野にしましょう。

「作者の気持ちを答えよ」という問題がどういった風に声優の能力に関係するのか説明していきます。

  • 例:台本のセリフを読むときに、「自分の役がなぜこのセリフを言うのか答えよ」と自問自答する⇒これを考えないと確実に棒読みになってしまう
  • 例:作品全体を見たときに、「自分の役がなぜこの作品に必要なのか答えよ」と自問自答する⇒これを考えないとひとりよがりな演技になってしまう

基本的にセリフや役に意味をもたせるには明確な理由づけが必要です。理由が不明瞭だと、ただセリフを言っているだけ、人数合わせの役にしかなりません。

もちろんセリフ自体に情報は含まれていますし、声優本人が意識しなくても脚本の段階で役の存在理由はつくられています。しかし、それでは声優が仕事に関わる意味がありません

声優には作品の情報量を増やす必要があるのです。そのためには「なぜこうなったのか?」と作品内容に可能な限りの疑問をぶつけて、自分なりに回答を見つける作業をすることが効果的です。

あいつのことは苦手だったが、「ありがとうございます」と僕は返した。

この文章をもとに「ありがとうございます」のセリフを言う場合で考えてみます。

これをなにも考えずに言ってしまうと、文面通りに「ありがとうございます」と感謝するニュアンスしか伝わりません。それが正解か不正解かは今回は横に置いておきますが、他の要素をセリフに足すにはもっとセリフを言った役の気持ちを考える必要があります。

このときに国語の問題のように自問自答してみましょう。

  • 問1.僕があいつのことを苦手な理由を答えよ
  • 問2.「ありがとう」ではなく「ありがとうございます」だった理由を答えよ
  • 問3.あいつは僕のことをどう思っているのか答えよ
  • 問4.このシーンで作者は何を意図していたのか答えよ

このような問題を自分で自分に出題することで、セリフや作品のことをより深く理解できます。

その結果、「ありがとうございます」というセリフを満面の笑みで言うパターンや苦々しく言うパターン、悔しいながらも感謝しているパターンなど、複数の演技プランを用意できるのです。

個性的な演技ができる声優になるためには国語のテストのような自問自答がオススメです。