【声優の演技論多すぎ問題】あなたに本当に合った演技論との出会い方

【声優の演技論多すぎ問題】あなたに本当に合った演技論との出会い方 演技法
この記事を書いた人
chikamichi(ちかみち)

【自己紹介】
・現役声優(活動歴10年ほど)
・普段はサブカル好きの男性
【実績】
・アニメ(テレビ、映画)
・外画吹替
・ナレーション(番組ナレ、CM)
・ゲームボイス
・朗読、ラジオドラマなど
声優志望者や演技初心者に向けて、自分の体験に基づいた情報を発信しています。

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こういった悩みを持つ方向け
  • 色々な演技論があって、どれが正しいのか分からない
  • 信ぴょう性の高い演技論を見極める方法が知りたい
  • 演技論通りにやっているが効果を実感できない
chikamichi
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この記事を書いている声優のchikamichiと申します!

声優志望者は「参考になるものは何でも取り入れたい!」と意欲的な人が多いです。

しかし、色々な演技論や練習法を試すうちに、いったいどれが効果的なものなのか分からなくなってしまうなんて落とし穴も…。

ネットなどで簡単に欲しい情報を手にすることができる時代になったからこそ、あふれ返った情報に惑わされないようにしなければいけません。

そこでこの記事では、様々な演技論や練習法を取捨選択するコツや演技論などをより効果的に吸収する考え方をまとめて解説します。

本記事で紹介する内容
  • 世の中には無数の演技関連の話があふれている
  • どんな演技論もはじめは話半分に聞いておこう
  • どういった効果を望んだ指導なのかを考えるべき

この記事を読めば、たくさんの情報に惑わされることなく、自分に合った演技論や練習法にスムーズにたどり着く手順が全て分かります。

推奨マイク Audio Technica AT2020

声優志望さんにマイクは必須。実は養成所などではマイクの扱いに関するレッスンがほぼなく、自分で扱いに慣れておく必要があるんです。1万円台のマイクでよいので自主練用のマイクがあると捗ります。また、自主練用マイクがあれば、自分の声の特徴(マイク乗りなど)を早くから知ることもできます。オススメはAudio TechnicaのAT2020。安価ながらも性能が良く、はじめてのマイクにぴったりです。

世の中には無数の演技関連の話があふれている

無数の矢印と男性

ネットやSNSが普及して、著名な声優や演技講師が演技の話を発信する機会も増えました。

情報発信源

  • 声優や演技講師のブログ、SNS
  • 声優へのインタビュー記事
  • 声優の自伝本
  • テレビの声優特番

他にも、専門学校や養成所で学んでいる人なら、直接講師などから聞く機会もあるでしょう。

  • レッスン内容を参考にする
  • レッスン内でアドバイスをもらう
  • 個人的にダメ出しをもらう

こういったことからプロの演技論演技のコツ、心がけを知ることができます。

声優関連の話題にアンテナを張っている声優志望者なら、既に多くのインタビュー記事や自伝本を読み漁っている人もいるでしょう。

そして、仕入れた情報を「有名な声優や講師が言っているから間違いない」と、

  • 声優A「声優を目指すなら、発声練習を継続しよう」
  • 講師B「努力あるのみ、外郎売りを毎日やるべし」
  • 声優C「寝起き直後の発声はやめたほうがよい」
  • 音響監督D「演技するときは距離感を必ず意識して」

こういったものを何でも取り入れてしまうのは初心者あるあるですよね。

といっても、演技初心者のころは右も左も分からないことが多く、こういった演技論や練習法のアドバイスは本当に参考になります。

しかし、情報が多いことは(贅沢な)悩みのタネにもなってしまいます。

なぜなら、指標にすべき情報が多すぎて、どれを取り入れればよいか分からなくなるからです。

「別に良いと思ったものは全て採用すれば解決では?」と思うかもしれませんが、あまりオススメしません。

というか、そもそも気に入ったものを全て採用するのは不可能でしょう。

その理由を2つ、具体例を挙げて説明します。

【理由1】24時間では足りなくなる

声優志望者なら誰しも習慣的におこなっている練習のひとつやふたつあるでしょう。

しかし、それを10や20と際限なく増やし続けることは物理的にできませんよね。時間が足りなくなるからです。

  • メニュー①
    「母音を意識した発声練習(1時間)」
  • メニュー②
    「口の形を意識した50音の発声練習(30分)」
  • メニュー③
    「外郎売り×3本」
  • メニュー④
    「声量確保のために腹筋(30回×3セット)」
  • メニュー⑤
    「柔軟ストレッチ(20分)」

これらの練習を毎日欠かさずに全ておこなうのは大変です。

プロの声優であっても、基礎的な練習に毎日3時間以上もかけている人はおそらくいないでしょう。

それは練習時間をそんなに確保できないという理由もありますが、練習のやり過ぎで声が枯れるなどのデメリットにもなるからです。

と偉そうに説明していますが、そんな問題は誰でも思いつきますよね。

なので、だいたいの人は優先すべき練習を厳選して、自分流のメニュー(30分~1時間程度)を考案することになります。

しかし、これを演技初心者に「自分の判断で取捨選択して練習メニューを作りなさい」というのは少し酷な話です。

【理由2】同時に脳で処理しきれない

演技中に意識できることの数には当然ながら限界があります。

それなのに意識することを際限なく増やしていくと、どこかのタイミングで脳がパンクします。

常人であれば、同時に意識できることの数は2~3個が限度でしょう。

  • 「演技中は早口にならないように」
  • 「イメージの10倍は感情を出す」
  • 「相手のセリフをきちんと受ける」
  • 「セリフの距離をイメージする」
  • 「聞き取りやすい声量をキープ」

これらのことを脳内で全て並列に考えながら演じるのは流石に人間の限界を超えています。

といっても、何も考えずに演技するよりもある程度は目標をもって演じるほうが良いと思います(とくに演技初心者の場合)。そうすることで演技力を向上させる道筋が明確になるからです。

しかし、声のボリューム聞き取りやすさ感情の大きさなどを同時に意識したまま、演技するのはかなりむずかしいでしょう。

そもそも4つも5つも同時に意識しようという考え自体が非現実的で「努力」とか「根性」で解決できるものではありません。

ちなみにプロの役者の場合は、声のボリュームなどの初歩的な要素については無意識レベルでコントロールできるように鍛錬しています。

つまり「早口に気をつける」とか「感情を10倍出そう」と毎回考えているわけではありません。なので、4つも5つも同時に意識できる=プロの役者といった考え方は間違っています。

目標をもって演じるというのは、無意識レベルでは落とし込めていない要素を強く意識することで、演技に反映させようという荒療治的な方法なのです。

イメージとしては「自転車の補助輪」のようなもので、最終的にはなくす方向(意識せずとも演技に反映できる状態)を目指します。

間違っても、意識することを10、20と増やせば、より奥深い演技になると勘違いしないでください。演技が迷走する原因になります(初心者がとくに陥りがち)。

最悪なのは複数の意識することに注意が向きすぎて、演技自体に集中できないという本末転倒な結果を迎えることです。

養成所などで講師からダメ出しを直接もらう機会が続くと「Aも意識しなきゃ、Bも意識しなきゃ」とこの状態に陥りがちです。

この場合でも「演技中に意識することを自分で取捨選択」さえできれば、問題を解決できますが、やはり初心者にはむずかしい判断でしょう。

といっても、上記の2つはまだ自己解決できる範囲です。

「自分の信じた効果があるもの」「習得したいもの」を優先して選べば、判断の正誤は置いておいても、実践の段階には進めるからです。

これらよりもひどいパターンとして、自己解決すら困難な場合が存在します。

それは全く反対のことを言っている意見に遭遇した場合です。

声優講師Aさん
「演技って○○なんですよ」

声優志望者

「演技って○○なのか、Aさんの話は勉強になるな」

声優講師Bさん

「演技を○○なんて考えるな。△△なんだよ」

声優志望者

「あれ、Aさんと言ってること違うぞ?でもBさんの意見も理解できる…」

Aさんの意見もBさんの意見も納得できるからこそ、身動きが取れなくなる

このように「結局なにが正しいの?」と混乱して、どっちの意見も取り入れられなくなるのが最悪のパターンです。

勉強の指針を示してほしいのに、正反対の二つの意見を言われてしまうと、どこを目指して勉強すればいいのか分からなくなってしまいます。

「このやり方、間違ってるかも」と疑念がある中では、なかなかモチベーションも上がりません。

真っ向から対立する演技関連の話でいえば、

演技は生ものだから用意するな
VS
演技前にしっかりと準備しろ

声優の演技も舞台の演技も一緒
VS
声優の演技は別もの

台本は暗記しろ
VS
手元に台本あるから暗記不要

などがあります。

ちなみに僕も声優の勉強を始めたころに、上の例に出したものを「なるほど!」と思って、全部実践しています。

たとえば「役作りの準備をしてから演じる方法」を試して上手くいかなかったら、正反対の「演技前に用意しない方法」が正しいんだと直後に鞍替えなんてこともしていました。

そんな正反対の演技論にも飛びつく節操のない人間の意見ですが、結局は対極の二つを盲目的に信じても、どちらも思っていたような効果はあらわれませんでした。

正直、演技論などを100%鵜呑みにして上手くいった試しがないです。

つまり、なにが言いたいのかというと、どんな著名な声優、講師の言っていることでも、はじめは嘘を言ってる」くらいに思って、聞くぐらいがちょうど良いってことです。

そして事実、どんな演技論や演技のコツも「半分正解で半分ハズレ」くらいの精度しかありません。

どんな演技論もはじめは話半分に聞いておこう

半分になった青い果実

「話半分に聞いておくって何だか不誠実だな」と思う人もいるでしょうが、逆に演技論などを100%肯定して聞いてしまうほうが問題ありです

著名な声優や演技講師の言葉であれば、信じたくなるのも無理ありませんが、よく考えてみてください。

なぜ世の中には演技論や演技のコツ、効率の良い練習法などが無数に存在するのでしょうか?

しかも、その中には真っ向から意見が対立しているものまで存在しています。

これが仮に全て正しいのなら、対立する意見があることは矛盾していますよね?

つまり、間違った意見だって存在するかもしれません。

かといって、著名な役者のAさんとBさんの意見が対立していたときに「片方は偽物なんだ…」とか「片方は三流なのか…」とは思いませんよね。

好意的に「色々な考え方があるんだろうな」と考えるはずです。

と右往左往しましたが、要するに演技論には色々な考え方があるから、正解は一つではないし、自分に合うもの合わないものが存在するということを頭に入れておいてほしいのです。

「著名な声優や音響監督が言っていたから」とか「専門学校や養成所の講師に言われたから」と100%それが真実であるかのように受け取ってしまうのはやめましょう。

そういった受け取り方は、間違った方向に努力する原因になったり、成長が鈍化する原因になることが多々あります。

もちろん、声優や講師がわざと嘘を教えているわけではありません。

指導する本人にとっては効果があるものを教えています。

しかし、それが万人に対して効果があるかは別だというわけです(指導方法が全国で統一化されていない=万人に効果のある演技法なんて存在しないのでしょう)。

結局、合う合わないを判断するのは、受け取る側(声優志望者)です。

とくに演技論や練習法を数多く知れる時代になったからこそ、判断する能力がより重要になりました。

そんなときに「話半分くらいに聞いておく」というスタンスが役立つのです。

演技論なんて、結局言ってる本人の経験談でしかない

暴論ですが、世の中の演技論は全て言ってる本人の経験に基づいた、本人にとっては効果のある方法でしかありません。

もちろん素晴らしい指導者や演技論は「誰にでも当てはまる部分を抽出して、万人が理解できるように指導、体系化」するという努力をしてますが(それでも全員に当てはまるとは言い切れない)。

つまり大前提として、あなたには「効果が薄い」「効果がない」「逆効果」といった可能性を考慮しておく必要があります。

どんなに尊敬できる役者・講師であっても、その人の演技論、練習法が自分にとって100%正しい保証はありません

なので、受け取る側が話半分に聞き始めるくらいがちょうど良いのです。盲目的に信用しても良いことはありません。

「信頼できそうだから、ちょっと試してみるか」くらいで取り入れるほうが、スムーズに成長できるでしょう。

正反対の2つの意見に遭遇した際も、両方をフラットに話半分のスタンスで聞いていけば、がんじがらめの状態になることは防げます。

しかし、僕自身の体験談として「対極の二つを盲目的に信じても、どちらも思っていたような効果はあらわれなかった」と言いました。

これがなぜかというと、ひとつには盲目的に正しいと信用していたことが原因でしょう。

「自分には合っていないかもしれない」という可能性を排除することはとても危険です。

そして一番の原因は、演技論や練習法がどういった効果を望んで、その行為を勧めているのかを一切考えていなかったことです。

どういった効果を望んだ指導なのかを考えるべき

空を見上げる男性

たとえば「声優でも台本のセリフを覚えなさい」という指導がありますが、この指導の真意はいったい何でしょうか?

そのままの意味で捉えるなら、声優も台本のセリフを一言一句暗記しようということですが、僕はそれに同意できません。

実際の現場で台本を持たずに演技している声優を見たことがない(一言セリフなどは除く)ですし、せっかく台本を見ながら演技できるメリットをわざわざ放棄する意味もよく分かりません。

それに台本を暗記する行為自体が演技に影響するなら、「記憶力がスゴイ人は声優に有利だから記憶力を鍛えなさい」みたいなことも言われているはずです。

しかし、そんな指導は聞いたことがありませんし、記憶力と演技力に直接的な関係性があるとは思えません。

あくまで僕の考えですが、声優が台本のセリフを暗記したところで得るものはないでしょう。

それなのに以前の僕もそうであったように「台本のセリフを覚えなさい」と言われると、台本を暗記すること自体に意味があると信じて疑わない人がたくさんいます。

良くいえば「マジメな性格」ですが、悪くいえば「言われたことをやれば声優になれる」と自分で考えることを放棄した人でしかありません。

そういったタイプの人は暗記するという努力はできますが、結果的には演技が変化することもなく、努力が水の泡になる場合がほとんどです。

しかも、それすら「もっとスラスラとセリフが出てくるまで暗記せねば」みたいな謎の解釈をして、さらに変な方向への努力に時間を使いがちです。

これを回避するためには、どういった効果を望んでいるのかをきちんと整理する必要があります。

たとえば、台本のセリフを覚えなさいという指導の意味は、

  • 「台本の内容を頭に叩き込みなさい」
  • 「場面ごとの流れを理解してから演技しなさい」

といったニュアンスで言われていることがほとんどです。

なので、養成所などで講師に「台本のセリフを覚えなさい」と言われる場合には、その前に披露した演技で台本の設定をほとんど取り入れられなかったことが原因です。

これを自分の力で解決しようとするときに「台本を丸暗記しよう!」と考える方はいませんよね?

そんなことをしても、台本の設定をきちんと落とし込んだ演技ができるわけではありません。

必要なのは「丸暗記」ではなく、「丸暗記するくらいに読み込んで、台本の内容を頭に入れること」です。

つまり、暗記という行為に意味があるのではなく、話の流れや設定を演技に反映できるレベルまで読み込むことが大切なのです。

と詳しく説明すれば、「台本のセリフを覚えなさい」といわれて必死に丸暗記する人はいなくなるでしょう。

言われた言葉をその通りに受け取るのではなく、なぜそんな指導を言っているのかをきちんと考えることが必要なのです(そもそもの問題は講師の言葉足らずだったり、説明不足が原因なんですが)。

こういった発信する側と受け取る側のズレはよく起こります。

普段の生活でも、「そんなつもりで言ったわけではないのに違った解釈をされた」みたいなことってよくあると思います。

なので、尊敬する方の言葉であろうが「どういったニュアンスでその言葉を使っているのか?」と考えるクセをつけるようにしましょう。

直接講師などに指導された場合でも、ネットなどで見聞きした場合でも、その言葉の真意がなんなのかと考えてから実践することが効率よく成長するカギになります。

この記事をまとめると、

  • 見聞きした演技論や練習法を一度に全部実践しようという考え方をやめる(物理的に不可能)
  • 見聞きした演技論や練習法がどういったニュアンスの発言で、どういった効果を狙ったものかを考察する

この二点を覚えておいてください。きっと役に立ちます。

最後に「どういったニュアンスでの発言なのか?」「この発言はどういった効果を狙ったものなのか?」と考察するヒントとして、いくつかの例に対しての回答を紹介します

ぜひ参考にしてみてください(あくまで僕の解釈ですが)。

例1:演技は生ものだから用意するな

  • ニュアンス

相手の演技を全く受け取れていない。自分でつくってきた演技をその場でやっているだけ。人と掛け合っている意味がない。

だからガチガチにつくり込まずに、その場でつくりあげる部分(余白)を残しておきなさい。

「用意するな」を何も考えず、台本も読まずにマイク前に立つことだと解釈するのは絶対ダメ。

  • 効果

設定をつくり込みすぎると、自己完結した演技になりやすいので、ある程度は相手の出かた次第で演技が変えられる状態の方が会話が成立する。

例:怒るシーンで「120%で怒る」と決めて演技してはいけない。相手が反省の色がない場合と泣いて謝罪する場合では怒り方が変わるはず。

ここで初心者にありがちなミスとして、自分の中で相手のセリフは「反省の色がないセリフだ」などと決め打ちして、相手のセリフを聞いているつもりで一切聞いていないということがある。

聞いているポーズは取っているので、本人は会話している感覚になっているが、結局は決め打ちした状況に沿ったセリフの言い方になるので、常に120%で怒る演技になってしまう。

この状態だと、仮に相手が少し反省している感じの演技をしてきた場合に対応できなくなる。

自分の解釈だと反省の色がなさそうなセリフに感じたとしても、他の解釈の場合も想定して「とりあえずは『120%で怒るイメージ』で保留しておこうかな」くらいの考え方がベスト。

例2:演技前にしっかりと準備しろ

  • ニュアンス

台本の読み込みが甘い。設定を拾いきれていない。なんとなくの雰囲気だけで演じている。

セリフを一回読んで、「はい、準備できました」みたいな浅い準備はしない。奥深い演技をつくりあげるためにも、演技前に台本読解の時間をたっぷりと取りなさい。

だからといって、何でも自分の中で決めてしまうと、決まりきった演技しかできなくなるので、余白は残しておくべき。

間違っても、全部自分の中で準備してきたものをそのまま披露するような演技はしないこと。

  • 効果

浅い読み込みの演技、たとえば「高校生、冷静」という要素をひたすら追いかけているような演技は単調でつまらないものになりがち。

これを解消するためには、台本に書かれた状況をしっかりと読み取って、シーンごとに動きのある演技を目指すべき。

演技が単調になる原因の大部分は台本読解ができていない、またはできている気になっていることが挙げられる。

なので、台本読解の時間を多く取ることで演技の質が改善する効果が見込める。

2つの例のように「用意するな」と「準備しろ」は相反する意見ですが、どちらもニュアンスを読み解けば、正しい演技論だといえます。

しかし間違った意味で捉えてしまうと、途端に悪影響を及ぼす原因にもなってしまうのです。

自分に合っている合っていないというのは、正しいニュアンスで受け取れるかどうかでもあります。

この二つはどちらも正しいですが、間違った解釈をしてしまうとどちらも効果が現れないダメ演技論に成り下がります。

半分正解で半分ハズレくらいの精度というのはこういうことで、伝えたいことをきちんと理解することが重要なのです。

繰り返しになりますが、

  • 見聞きした演技論や練習法を一度に全部実践しようという考え方をやめる(物理的に不可能)
  • 見聞きした演技論や練習法がどういったニュアンスの発言で、どういった効果を狙ったものかを考察する

これらを意識していくことが、自分に合った演技論に数多く出会うための手助けになりますよ。

最後までありがとうございました!