- 地方に住んでいる場合、地方の専門学校と東京の専門学校のどちらに通うべき?
- 東京の専門学校と地方の専門学校、それぞれの良い点・悪い点が知りたい
- 地方の声優専門学校を卒業した後の進路ってどうなるの?
地方に住んでいる声優志望者で「声優専門学校に通おうと考えているけど、やっぱり地元の専門学校よりも東京の専門学校のほうが良いの?」と思っている方は多いです。
僕は声優歴10年以上の男性声優chikamichiです!
僕自身は関西の声優専門学校を卒業してから、声優事務所に所属しました。
なので地方在住で声優専門学校に通おうと考えている方の悩みには、実体験をもとに答えることができます。
そこでこの記事では、地方在住の声優志望者向けに東京と地方の声優専門学校の違いを詳しく解説します。
- 東京と地方の専門学校で絶対的な差はないから、どちらでも大丈夫
- 東京と地方の専門学校でメリット・デメリットを比較
- 地方の声優専門学校を卒業後は上京する必要がある
この記事を読めば、あなたが声優の勉強を始めるのに適した専門学校が東京なのか地方なのかが分かります。
東京と地方の専門学校で絶対的な差はないから、どちらでも大丈夫
東京と地方の専門学校を比べれば、東京の専門学校のほうが良い環境です。
ただし、東京と地方で決定的な差があるかといわれると、そんなに差はないので誤差と考えて大丈夫でしょう。
なので声優専門学校は東京と地方で、あなたに合ったほうを選ぶべきです。
そもそもなぜ東京と地方の専門学校の違いが誤差レベルかというと、東京と地方の専門学校で学べる内容が大きく変わらないからです。
「地方の専門学校だから学べないよ」といったレッスン内容って基本的にありません。つまり、声優の勉強をするためにわざわざ東京に出る必要はとくにないのです。
僕自身も関西の専門学校で声優の勉強を始めましたが、別に不自由することなく卒業しました。
声優専門学校を選ぶときに「絶対に東京の学校を選ばなければいけない」といったことはありません。
東京と地方の専門学校でメリット・デメリットを比較
東京と地方の専門学校のメリット・デメリットをそれぞれ解説して、比較していきます。(地方に住んでいる方の視点で解説しています)
東京の専門学校のメリット・デメリット
- 学校内の生徒数が多い
- 有名講師の授業が受けやすい
- 標準語を習得しやすい
- 上京しなければいけない
- ひとり暮らしをする必要がある
- 環境が劇的に変わってしまう
東京のメリット①:学校内の生徒数が多い
東京の専門学校には全国から入学者がやってくるので、生徒数が多くなる場合がほとんどです。
そして生徒数が多いと、声優としてのポテンシャルが高い人も当然多くなります。
専門学校の良いところのひとつに「他者と切磋琢磨できること」があります。
独学だと自分の演技からしか得るものがないので、どうしても想像力が育ちにくいです。
しかし、ポテンシャルの高い人が周りにいる環境だと、他者と比較して自分に足りないものを補うことができたり、他者の演技から気付きを得ることができます。
そのときにお手本にしたいのは、できるだけポテンシャルが高い人ですよね。
「生徒数が多い=ポテンシャルが高い人が多い」なので、東京の専門学校は他者と切磋琢磨したい方にオススメです。
東京のメリット②:有名講師の授業が受けやすい
東京の専門学校は有名な声優や音響監督が講師としてレッスンしてくれることが多いです。現場の生の意見が聞けるのは大変貴重な経験です。
東京の専門学校が有名講師を呼べる理由は、声優も音響監督も東京で活動しているので、東京にある専門学校でのレッスンを依頼しやすいのでしょう。
地方だとレッスンを依頼するにも距離的な制限があるので、毎週レッスンを依頼することは難しいです。
といっても東京の専門学校でも、有名な声優や音響監督が毎週レッスンをみてくれる場合は少ないです。特別講師として年に1~2回来校するというのがほとんどでしょう。
東京のメリット③:標準語を習得しやすい
東京の専門学校に通うと標準語を習得しやすいです。というよりも東京に住むことで標準語が習得しやすくなります。
東京で出会う方たちは基本的に標準語を使って会話をしています。そういった方たちとコミュニケーションをはかることで自然と標準語に近づくことができるのです。
地方出身者は標準語を習得することが課題のひとつになるので、東京の専門学校に通うことで標準語を習得しやすい環境に身をおけることは大きなメリットです。
東京のデメリット①:上京しなければいけない
地方在住の方が東京の専門学校に通うためには上京する必要があります。そして東京に生活の拠点を用意しなければいけません。
まずは部屋探しをして、つぎに生活するための家電を購入する必要がありますが、どちらもお金がかかってしまいます。専門学校の学費も100万~150万ほど必要になってくるので、一気にまとまったお金を支払わなければいけません。
仮に高校卒業後に東京の専門学校に通う場合、親御さんにお金の面で相談しなければ、実現できないでしょう。
東京のデメリット②:ひとり暮らしをする必要がある
東京に住む場合は基本的にひとり暮らしをする必要があります。
今までが実家暮らしなどで家事や食事の準備を自分でやっていなかった方には結構大変です。食事や睡眠が適当になって、体調を崩す人も多くいます。
それにひとり暮らしあるあるで、ホームシックにかかる場合もあります。
家族や地元の友人と会いたいと無性に思ってしまって、物事がうまく進まなくなってしまいます。
東京のデメリット③:環境が劇的に変わってしまう
地方から東京に移り住むと、生活環境や人間関係が劇的に変わってしまいます。
声優の勉強を始めるだけでドキドキなのに、それ以外にも不安があることに耐えられないといった方には東京の専門学校はオススメできません。
環境の変化に弱い方は無理に東京の専門学校から勉強を始める必要はないです。
地方の専門学校のメリット・デメリット
- 自宅から通えたり、地元に近い地方都市で学べる
- 環境が大きく変わりにくい
- 上京しない分の費用が抑えられる
- アニメの現場に詳しい講師が少ない
- 専門学校の数が東京より少ない
- 標準語を習得しにくい
地方のメリット①:自宅から通えたり、地元に近い地方都市で学べる
地方の専門学校で一番のメリットは地方で声優の勉強が学べることです。
声優養成所の場合は東京に集中しているので、基本的に上京する必要があります。しかし専門学校は地方でも充実しているので、安心して地方で声優の勉強を学ぶことができます。
自宅から通える距離に専門学校がなくても、地元に近い専門学校を選ぶほうが帰省がしやすかったり、家族・友人が会いに来てくれる機会も増えるのでオススメです。
地方のメリット②:環境が大きく変わりにくい
地方の専門学校に通うことで、生活環境を大きく変化させずに声優の勉強をすることができます。
声優の勉強に加えて、初めてのひとり暮らしや専門学校・バイト先などでの新しい人間関係が一気に始まると結構しんどいです。気づいたときには、家は汚部屋で学業よりもバイトに力を入れているみたいな状況に陥ってしまうことも多々あります。
自宅から通える範囲の専門学校だと、こういった心配もあまり考えずに勉学に励めます。
地方のメリット③:上京しない分の費用が抑えられる
地方の専門学校を選んだ場合、東京の専門学校を選ぶよりも費用が抑えられます。
専門学校に通うには年間100万~150万の授業料が必要になります。それに加えて東京に住む場合は家賃・家電などのお金も必要になってきますので、さらに高額な費用が必要です。
家賃が仮に月5万円なら年間60万円が余計にかかってしまいます。費用を抑えたいなら自宅から通える専門学校がオススメです。
地方のデメリット①:アニメの現場に詳しい講師が少ない
地方の専門学校にはアニメや外画の現場に詳しい講師が少ないです。なぜならアニメや外画で活躍している声優は東京を拠点にしているので地方で講師をすることが難しいからです。
なので地方の専門学校だと、アニメや外画の経験がない方が指導している場合が多々あります。
といっても、ナレーターをしていたり、役者として活動している方が指導してくれるので、演技面・技能面での心配はいらないでしょう。
気になるのはアニメや外画吹替特有の演技のクセや現場の雰囲気を伝えることができない点です。
しかし、まずは演技面や技能面をしっかりと学ぶほうが大事だと思っています。
専門学校や養成所でもはじめのうちは一切アフレコをせずに基礎の発声練習や演技に注力しているところも多いです。
アニメの現場に詳しい講師のほうが良いに決まっていますが、「現場の知識」が絶対必須なことではないのかなと僕は考えています。
地方のデメリット②:専門学校の数が東京より少ない
地方では声優専門学校の数が東京よりもどうしても少なくなります。選ぶ候補は少ないより多い方が良いですよね。
しかし、有名な声優専門学校は全国展開しているところが多いです。専門学校の数が少なくても、そこまで心配する必要はないでしょう。
地方のデメリット③:標準語を習得しにくい
地方に住んでいると標準語が習得しにくいです。普段の会話が方言でおこなわれるので、どうしても標準語のアクセントが身につきにくくなってしまいます。
標準語を今すぐ習得したいと考えている方なら地方の専門学校よりも東京の専門学校を選ぶほうが早く習得できると思います。
標準語を習得する方法をまとめた別記事があるので、標準語の習得に不安がある方はぜひご覧ください。
» 声優になるために方言・訛りを最速で直す方法【標準語の語学留学】
地方の声優専門学校を卒業後は上京する必要がある
地方の専門学校に通っても、最終的には東京に移り住む必要があります。
なぜならアニメや外画吹替の収録は東京のスタジオでおこなわれているので、必然的に声優は東京を拠点にする必要があるからです。
ナレーションをメインに考えているのであれば、地方に住んだまま活動することも可能ですが、アニメ声優・外画声優を目指すのであれば厳しいです。
「声優を志す=東京に移り住む」ということを地方在住の声優志望者は意識しておかなければいけません。
専門学校の時点では東京と地方のどちらを選んでも構いませんが、最終的には東京に移ることを考えて人生設計を組み立てましょう。
あなたに合った声優専門学校の選び方が知りたい方はこちらの記事がオススメです。