- 養成所に通いたいけど、どの養成所がおすすめ?
- 自分に合った声優養成所が知りたい
- いいなと思う養成所を見つけたら、どういった行動をとるべき?
養成所に通うと決意したものの、どの養成所に入所すべきか決めきれない。
そのまま養成所選びで足踏みして、次の行動に移れない人は多いです。
この記事を書いている声優のchikamichiと申します!
僕自身も養成所選びはずいぶんと悩みました。
養成所のことを何も知らない状態からのスタートだったので、たとえば「A養成所」と「B養成所」を比較する基準すら持ち合わせておらず、本当に困った記憶があります。
運よく周りに相談できる環境があったので助かりましたが、全てを自分で調べ上げるのはやはり大変です。
そもそも声優の事務所や養成所なんて普通に生活しているだけではひとつも知らないですよね…汗
そこでこの記事では声優を目指す人が自分に合った声優養成所を見つけるためのノウハウを詳しく解説していきます。
- なりたい声優になれる養成所を選ぶ
- 声優事務所に所属する声優の実績を調べる
- 養成所のHPなどからパンフレットを取り寄せてみる
この記事を読めば、養成所選びで抑えるべきポイントが全て分かります。
大前提は「なりたい声優になれる養成所」を選ぶ
養成所を選ぶときは、まず「あなたがなりたい声優像を叶えられる養成所」を選びましょう。
なりたい声優像とは「アニメに出演したい」や「アーティスト活動もやりたい」といったようにやりたい仕事のジャンルで考えてみてください
これを踏まえてオススメの養成所を選ぶ方法を紹介していきますが、先に結論から述べると、
といった、誰にでもおすすめできる業界ナンバーワンの養成所は存在しません。
なぜなら、養成所(を運営する声優事務所)ごとに「得意とする仕事の分野」が異なるからです。
養成所とは「事務所が運営する声優育成機関」
そもそも声優養成所とは声優事務所が運営する声優を育成する機関を指します。
そして養成所では「発声や滑舌などの基礎練習」から「本格的な演技レッスン」まで幅広い指導がおこなわれます。
レッスン期間は養成所ごとに異なりますが、基本的には1年や半年といった期間で学ぶことが多いです。
また、進級方式を取っている養成所もあります。
たとえば、1年目は初心者コースからスタートし、1年後(2年目以降)に上級コースに進級といった感じです。
ちなみに養成所に通う人たちのことは「養成所生」や「レッスン生」、「塾生」などと呼ばれます。
そして、養成所生のなかから優秀な人材が事務所所属の声優に選ばれます。
所属審査と呼ばれる“事務所に所属する声優”を選ぶ審査が1年に一度おこなわれます
プロ声優になる方法は、養成所に入所する以外にもありますが、
- Step1声優養成所に入所
養成所生として実力をつける
- Step2所属審査を受ける
半年や1年ごとに事務所に所属する人材が選ばれる
- Step3審査に合格して事務所所属になる
いわゆるプロ声優のスタート地点
このパターンが声優になるための方法としては一番メジャーでしょう。
正確な数字は分かりませんが、業界で活躍している声優のほとんどが養成所生から声優になっています(とくに若い世代は)。
余談ですが、養成所に通わずに声優になる方法としては次のようなルートがあります。
といっても、事務所からのスカウトなんてそういう人がいるらしいレベルの話で無名の声優志望がスカウトされるのを待つというのは現実的な手段とは言えません。
そして、もうひとつのルートである声優事務所などが主催する声優募集オーディション。
こちらは基本的に受賞者が出る仕組みなので、ガンガン狙っていくべきです。
ただ昨今、声優志望者が増加するなかで「受賞者が1人、2人程度しか出ないオーディション」に全てを賭けるのは賢い選択ではないと思います。
というのも「声優オーディションの結果がダメだったら、声優の夢を諦める」といった人が結構な数いるからです。
養成所生から声優になった者として助言させてもらうと、数回のオーディション結果だけで夢を諦めるのは時期尚早です
僕自身、日々の訓練や現場での経験を積むことで、何度も「成長した!」と感じる瞬間がありました。
なので、現時点でオーディションに落ちてしまったとしても、養成所などで鍛錬を積むことで、声優として成長、プロ声優の域に到達ということは誰でも可能だと考えています。
要は「オーディションに落ちたから自分には才能がないんだ」なんて思う必要は全くないんです。
そもそも一般公募の声優募集オーディションでは、参加条件の都合で演技経験の少ない人の応募が多く、実力至上主義の審査がされているわけではありません。
募集要項の年齢が低めに設定されていたり、事務所所属者は参加が不可能だったりと必然的に演技経験の少ない人が集まりやすくなっています
つまり、オーディション開催側も即戦力を求めているわけではありません。
その時点では実力が伴っていなくても、光るものを感じた人を採用したいといった考えでこのようなオーディションを開催しています。
なので、これらのオーディションの合否だけで声優の夢を完全に諦める必要は決してありません。
これから実力を伸ばしたり、光る個性を育てたりすればいいだけの話ですので。
もちろん夢を追いかけるのに「期限を設けること」も大切だと思います。
ただ、オーディションに数回チャレンジしただけで夢を諦めるのは正直もったいないです。
なので声優募集オーディションから声優を目指す場合でも、養成所への入所を同時並行で考えておくと声優になれる可能性がぐっと高まると思います。
圧倒的な数の声優が“養成所出身”ということが何よりの証拠です!
養成所選びは「その先の声優事務所」まで見据えて選ぶ
養成所生から声優を目指す場合に、理解しておかなければいけないことがあります。
それは「A養成所」を運営しているのは「A事務所」であるということ。
「そんなの当たり前だろ」と思われるかもしれませんが、これがめちゃくちゃ大切なんです。
そして、これに付随して知っておいてほしいのが、「A養成所の養成所生」が受けられる所属審査は「A事務所」のものだけということです。
つまり、養成所を選んだ時点で将来所属する声優事務所もほぼ決まってしまいます。
そして始めに書いた”声優養成所ごとに得意分野が異なる”というのは、(養成所を運営している)声優事務所ごとに得意とする仕事ジャンルが違うということを意味しています。
たとえば
こういった自分のなりたい声優像とミスマッチした養成所選びは絶対に避けなくてはいけません。
もし仮にA養成所に入所したのにB事務所に入りたい場合は、
- 「B養成所」に入りなおす
- 「A事務所」に所属してから「B事務所」に移籍
といった方法しかなく、これでは時間の大きなロスになってしまいます。
こうならないためにも初めに明確な自分のなりたい声優像をイメージして、その声優像が叶えられる声優事務所を見つける必要があります。
つまり「自分に合った養成所探し=自分に合った声優事務所探し」なのです。
「声優事務所に所属する声優の実績」を調べる
自分に合った声優事務所を探すときに参考になるのが、声優事務所に所属する声優の実績です。
このようなワードで検索すると、声優事務所が運営するホームページがすぐ見つかるでしょう。
ホームページ内では、事務所がマネジメントしている全ての声優のプロフィールが掲載されています。
つまり、ベテラン声優から1年目の新人声優まで幅広く確認することが可能です。
そして個別のプロフィールには次のような情報が細かく記載されています。
ここで注目してもらいたいのが“出演実績”です。
出演実績とはその声優が今までに出演した作品のことを指します
ほとんどの声優事務所では「アニメ/外画/ナレーション/ゲーム」などと仕事のジャンル別に仕切られ、記載されています。
一例ですが、以下のようにリスト化されていることが多いです。
出演実績を確認することで声優事務所の得手不得手が判断できます。
その際に注目するのが、仕事ジャンルごとの実績比率。
上の例でいえば外画の出演実績が充実しているのが分かります。
比率を確認してみると、アニメ:外画:ナレーションの実績が2:5:2。
では次になぜ外画の出演実績が多いのかを考えてみます。
理由としては以下のものが考えられます。
仮にプロフィールを確認した声優が個人の実力で外画の仕事を取っているのであれば、同じ事務所にあなたが入っても、同じように外画の仕事ができるとは限りません。
しかし、声優事務所自体が外画案件に強い場合には高確率であなたにも外画の仕事依頼があります。
事務所の得意ジャンルを新人声優のプロフィールで確認
新人声優のプロフィールを確認することで、声優事務所の得意不得意を判断できます。
その方法を3ステップで紹介していきます。
- リストから新人声優を複数人見つける
- 出演実績から「仕事ジャンルの比率」を確認
- 新人声優の出演実績の平均が事務所の得意不得意
1.リストから新人声優を複数人見つける
声優事務所のホームページにある所属声優リストの中から同性の新人声優を複数人探します。
男女で仕事内容に大きく違いがある事務所もあるので同性の声優で確認することが大切です!
探す際には、所属のグレードとプロフィール写真で判断すると手早く済みます。
声優事務所の所属には段階があって、預かり→準所属→正所属のように分かれています。
新人は基本的に預かりからスタートするので、預かりや準所属の欄から先に確認しましょう。
最後に絞り込む際には、プロフィールの写真や生年月日から新人声優をリストアップしてください。
声優事務所の規模にもよりますが10人ほどリストアップできれば、信頼できる判断結果が手に入ります。
2.出演実績から「仕事ジャンルの比率」を確認
新人声優をリスト化できたら、出演実績を確認してジャンルの比率を確認しましょう。
より詳しく判断するなら同じジャンルの仕事でも「朝夕方アニメor深夜アニメ」「映画館で上映orDVD販売のみ」などと調べておくと、さらに細かく得意ジャンル・不得意ジャンルが分かります。
3.新人声優の出演実績の平均が事務所の得意不得意
複数人の出演実績を確認すると、明らかに出演実績が多いジャンルが見えてくると思います。
それがその声優事務所が得意とする仕事のジャンルです。
ひとりの声優の出演実績だけで確認すると、その声優個人の実力や個性で仕事を依頼されたのかどうかが判断できませんが、複数人の実績を確認することで平均化され大きなブレはなくなります。
それに実績の少ない新人声優に依頼された仕事ということは、事務所側が新人にも分けられるほどそのジャンルの案件を豊富に抱えているという証拠でもあります(案件が少ないなら安定感のあるベテランに任せて、次に繋げる選択を取りたいはず)。
この方法で導いた「得意な仕事ジャンル」ならば、あなた自身がその事務所に所属した場合にも任せてもらえると考えてまず間違いありません。
それが自分のやりたい仕事内容と違う場合は、その事務所が運営する養成所に入所しても、なりたい声優像を叶える確率が低いと判断できます。
声優養成所のHPなどからパンフレットを取り寄せてみる
上記の方法で、自分のやりたい仕事ジャンルが得意な声優事務所を見つけたら、その声優事務所が運営する声優養成所のパンフレットをすぐに取り寄せてみましょう。
そもそも気に入った声優事務所を見つけても、いきなり入所…とはならないはず。本当に自分に合っている事務所なのか確定できませんし、運営している養成所のこともよく分かっていません。
「不安要素」や「疑問点」があると、安易に決めることはできないでしょう。
そんなときには情報を得るためにネットなどで調べると思います。
しかし、声優養成所の情報はネットで詳しく知ることがむずかしいです。
なぜなら、どこの声優養成所のホームページでも、レッスン内容や授業料のことは軽くしか触れていないからです。
こうなるとホームページの情報だけでは不安を払拭できるような情報量は得られません。
では詳細な情報がどこに存在しているのかというと、声優養成所の案内パンフレットに記載されています。
パンフレットは養成所のホームページから資料請求することで入手することができます。
僕個人の意見だとわざわざ資料請求せずともホームページに情報を掲載してほしいと思うのですが、いろいろと理由があるのでしょう。
- レッスン内容や授業料などを詳しく記載しているので情報量が莫大になる(コスト増)
- 資料請求するというワンクッションで本気度を確認している
ただ、パンフレットを見ることで養成所のイメージはより具体的にできますし、知りたかったレッスン内容などの情報を知ることもできます。
パンフレットを取り寄せることで、確実に不安要素は軽減されるでしょう。
というかパンフレットを取り寄せずに養成所を決めるのはオススメできません。
僕だったら、パンフレットの情報を知らずに養成所を選ぶのは怖すぎて無理です(お値段も安くはないですし)。
自分で調べて、しっかりと納得できた養成所に通いたいのは当然でしょう。
そのためにもパンフレットを取り寄せることはマストでおこないましょう。
- Step1声優養成所探し
将来、所属する声優事務所を見越して選ぶ。
- Step2出演実績チェック
出演実績から各事務所の得意不得意をリサーチ。
- Step3事務所候補をピックアップ
自分に合った事務所を複数ピックアップ。
- Step4資料請求
各事務所が運営する養成所に資料請求して検討。
- Step5養成所決定
自分に合った養成所が見つかる。
このような手順どおりに進めていけば、あなたに合った声優養成所を見つけることができます。
声優養成所の名前で検索すれば、養成所のホームページが見つかりますので、そこから資料請求やパンフレット請求のページをクリックして申し込みましょう。
全国で学べる声優養成所「日本ナレーション演技研究所(日ナレ)」
【日本ナレーション演技研究所】首都圏だけでなく、近畿圏、名古屋、仙台でも学べる声優養成所
代々木・池袋・お茶の水・立川・町田・大宮・所沢・千葉・柏・横浜・仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・ 難波・天王寺で学べます。
日本ナレーション演技研究所の主な出身者
下野紘、梶裕貴、鈴木達央、早見沙織、佐倉綾音、松岡禎丞、内田真礼、村瀬歩、山下大輝、内田雄馬など
グループプロダクション(提携する事務所)
アーツビジョン、アイムエンタープライズ、クレイジーボックス、ヴィムス、アライズプロジェクト、澪クリエーション
東京以外でも学べる声優養成所は実はほとんどありません。
日本ナレーション演技研究所は東京以外でも学ぶことができるので、地方在住の声優志望者にオススメできる声優養成所です。
地方在住者が「東京と地方のどちらで声優の勉強を学ぶべきか」を解説している別記事があります。
興味のある人はぜひご覧ください(記事内容は声優専門学校での比較ですが、養成所でも当てはまる内容です)。