- 声優の自己PRって何?
- 優れた自己PRを書くにはどうすればいいの?
- 自己PRに書く自分の武器が見つからない
養成所や専門学校に入所(入学)する際や所属オーディションで必要となるのが自己PR。
パターンとしては、
- 書類提出時に文章で提出
- オーディション時に口頭で伝える
大きく分けるとこの2つに分けられます。
声優志望者にとって自己PRは切っても切れないもので、披露する機会が本当に多いです。
ただそれと同時に「どんな自己PRが良いのか分からずに一向に出来上がらない」と悩みの種にもなりがち。
この記事を書いている声優のchikamichiと申します!
僕もはじめの頃は自己PRを考えるのが苦痛で仕方ありませんでした。
「これだ!」という正解が分からないのが一番しんどいんですよね……。
しかし、朗報です!
僕、chikamichiは他の人の自己PRを何百と聞いたり、自己PRをたくさん考えてきた中で簡単に自己PRをつくる方法を編み出すことに成功しました!
それは「趣味を特技に進化させる方法」。
このやり方を習得してからはテンプレート通りにつくるだけなので、本当に短時間でつくれるようになりました。しかも出来が良いです。
そこでこの記事では、僕が編み出した自己PRをあっという間に完成させるテクニックを余すことなく解説していきます。
もう自己PRが出来上がらないと悩む日々とはおさらばです!!
- 声優の自己PRは自分のアピールポイントを伝える
- 自分のアピールポイントを伝える時にマイナスアピールはしない
- 自己PRは他との差別化を図る内容にする
- 売り込む内容が見つからない時は、趣味を特技に進化させる
この記事を読めば、審査員に好印象を与えられる自己PRが簡単につくれます。
すぐにその方法が知りたい人は、下にある目次の4.売り込む内容が見つからない時は「趣味を特技に進化させる」をクリックしてジャンプしてください。
声優の自己PRは自分のアピールポイントを伝える
そもそも自己PRという言葉自体の意味は、
- 就職活動で企業に採用されるために自分の良いところをアピールすること
を指します。
これを声優に当てはめると、
- 養成所や専門学校に入所(入学)するためやオーディションに受かるために、声優志望者が自分の良いところをアピールする
ということになります。
要するに、自己PRは自分の良いところをアピールする。
まずはこのことだけを念頭に置いておけばOKです。
自分のアピールポイントを伝える時にマイナスアピールはしない
次に自分の良いところをアピールする文章の作りかたを紹介します。
そのコツは、プラスになる内容のみを盛り込んで、マイナスになる要素を排除するです。
これを絶対に守ってください。
先に説明したように、自己PRは自分の良いところをアピールして、相手に高く評価してもらうことを目的としています。
それなのに自分からマイナスな面を見せて、評価を下げていたら逆効果ですよね。
でも結構な割合の人が実はマイナスアピールを気づかずにしています。
それがなぜかというと、次のような流れで自己PRをつくる人が多いからです。
このような「Aは苦手ですが、Bは得意です」といった自己PRをつくる人がめちゃくちゃ多いです。
意図としては「Bが得意」をアピールしたいんでしょうが、その前振りで弱点もさらしてしまっています。
こういった場合にはマイナスな面であるAには触れずに「Bが得意」だけを伝えるようにしましょう。
とはいえ、自己PRをつくるときには誰だって「自分の長所」だけを考えているはず。
わざわざ「Aが苦手も伝えなきゃ」と考えている人はいないでしょう。
ではなぜ自己PRでマイナスアピールもしてしまうかというと、文章を膨らませていく途中で不必要な肉付けをしてしまうからです。
その結果、初めには意図していなかったマイナスアピールが知らぬ間に盛り込まれてしまいます。
自己PRを少しずつ膨らませていくときにはマイナスアピールが忍び込んでいないか確認しましょう。
特に気をつけてほしいのが、
- 自己PRの内容を「箇条書き」から「文章」にするとき
- 文字数を稼ぐために補足エピソードを追加するとき
といったタイミング。この2箇所でマイナスの情報を意図せずに追加しやすいので注意。
はじめに「Bが得意」というアピールポイントを考えても、それをそのまま伝えるだけでは味気のない文章になってしまいます。
たとえば「本番に強いです」「頭の回転が早いです」だけでは端的すぎて、逆に頭に入ってきませんよね。それに尺も余りまくりです。
なので大体の人は、エピソードを織り交ぜたりして話を具体的にしていくのですが、その際にマイナスアピールを知らずに足してしまいがち。
これを防ぐためにも自己PRが完成したら、マイナスアピールが入っていないかのチェックを必ずおこなうようにしましょう。
なぜマイナスアピールを見逃してしまうのか?
マイナスアピールを気付かずに入れてしまう理由を説明しましたが、「つくった後にマイナスアピールが入っていることに気付く瞬間があるのでは?」と疑問を感じませんでしたか?
文章を完成させた後にも内容のチェックは何度もするでしょうし、口頭で自己PRを伝える場合には暗記する作業もあります。
それらのタイミングで「あれ?言わなくていい内容まで含まれていないか?」と気づいてもいいように思いますが、実際に気づく人はごくわずかです。
なぜなら、多くの人が「自己PR」と「自己紹介」を混同しているから。
そして混同しているせいで、少しのマイナスアピールなら許容されると勘違いしているのです。
というのも、自己紹介ではマイナスアピールが有効な場合があるからです。
自己紹介では弱点をさらすことが有効的な手段になりえる
そもそも自己紹介とは「自分がどういった存在か」を知ってもらうためにします。
なので極端にいえば、自己紹介では良い面と悪い面の両方をみせて自分を表現することが可能です。
つまり、自分をよくみせることが前提の自己PRとは基本的に別物です。
なので自己紹介でだけ、マイナスアピールする(弱点をさらす)ことで相手の警戒を解き、距離を縮めるというテクニックが成立します。
たとえば、次のようなものです。
- 「強面ですが、中身は人見知りでシャイなので怖がらずに仲良くしてください」
この場合、人見知りで「人付き合いの能力が低い(けど仲良くしたい)」と自分から先に言ってしまうことで、強面で近寄りがたいイメージを払拭させる効果があります。
俗に言う「ギャップを見せる」ってやつですね。
そうすることで距離が縮んで、良好な関係を築きやすくなります。
人間は他者の秘密や弱点を教えてもらうことで、他者と親密になったと錯覚する生き物です。
なので、わざとマイナスアピールをさらすことがテクニックとして成立します。
しかし、これは自己紹介では有効な手段ですが、自己PRではオススメできません。
なぜなら、さらした弱点がそのまま不合格の原因になってしまうから。
というのも、オーディション審査の大半は減点方式を用いるからです。
なぜオーディション審査で減点方式が多いかというと、参加人数が多いと加点方式よりも減点方式のほうが審査がしやすいからです。
- 減点方式
受験者がミスすれば、点数を下げる理由が勝手にできる(受動的)。 - 加点方式
受験者が何をすれば点数が上がるのか、先に決めておく必要がある(能動的)。
このように減点方式なら、明確な審査基準を持たなくても楽に審査できてしまいます。
ほかにも、日本人は加点方式よりも減点方式の考え方をする国民性だともいわれています。
なので、オーディションなどでは良い点をみせることも大事ですが、悪い点を隠すこともそれ以上に重要になってくるのです。
それなのに自分から弱点をさらす行動をとるのは致命傷になりえます。
その結果、自己PR全体の評価がマイナスで終わるなんてこともない話ではありません。
「人見知りや緊張しやすいくらいなら別にいいか」と考えるのではなく、徹底的に審査側が減点対象にする可能性があるものは削っていきましょう。
自己PRの内容は初めから最後まで自分を良くアピールし続けられるものが鉄則です。
自己PRでも弱点をさらすことが効果的に働くのでは?
「自己PRでも自分の弱点をさらすことで、審査側との距離を縮められるかも」と考える人もいるかもしれませんが、基本的にはオススメしません。
リスクを背負ってまで、やる価値のある方法だとは思わないからです。
それに自己PRには時間や文の長さに制限があります。
文章で書くなら少ない文字数、口頭なら少ない持ち時間しかない中で、わざわざ自分を下げる内容を盛り込むのは無駄です。
それならば、自分を上げる内容をプラスで盛り込んだほうが絶対に良いです。
自己PRはマイナスイメージになるものを徹底的に排除することを意識して作成しましょう。
自己PRは他との差別化を図る内容にする
自己PRは、いわば「自分自身で自分を売り込むセールストーク」です。
では自分という商品を売り込むためには、どういった工夫が必要でしょうか?
答えは、競合商品(他の声優志望者)との差別化を図るです。
世の中にある商品は価格や品質、デザインなどの様々な要素で競合商品との差別化を図っています。
同じように、声優志望者も他の志望者との違いを明確に打ち出すことが必要になってきます。
その簡単な方法が他の参加者と差別化できる「あなたの魅力・特技」を探すです。
その際に、競争相手が少ないジャンルを選ぶことでより効果的なアピールに仕上げることができます。
単純ですが、競争相手が少なければ少ないほど、自分が上位になれる確率が上がりますからね。
逆にいえば、競争相手が多いジャンルは激戦区となってしまい、差別化を図ることがむずかしくなってしまいます。
そんな激戦区になりやすい二大ジャンルを紹介します。
激戦ジャンル①「サブカルチャー関連」
アニメや漫画、ゲームなどのサブカルチャーに関する自己PRはあまりオススメしません。
なぜなら、自己PRでこれらの内容を披露する人がめちゃくちゃ多いからです。
6~7割くらいはサブカル関連の自己PRといっても過言ではありません。
ここで気にすべきなのが、そもそも声優志望者がどういった人物なのかということです。
差別化を図るためにも、まずはあなたの競合相手(声優志望者)について考えてみましょう。
このように声優志望者には、アニメや漫画などのサブカルチャー好きが多いです。
まあ当たり前といえば当たり前ですよね。
なので現在では、サブカル好きをキッカケに声優という職業に興味を持った人がほとんどではないでしょうか。
何を隠そう僕も「アニメを観ることが好き」から、声優に興味を持ちました。
そして、僕の周りの声優仲間も総じてサブカルチャー好きばかり。
このような状況なので、声優業界では自己PRにサブカル関連の話をする人が多いです。
そんな中で仮に「年間何十本もアニメを見て、声優の勉強をしています」といった自己PRをしても、声優のオーディションでは武器になりません。
なぜなら、年間何十本もアニメを見ている受験者はたくさんいるからです。
そして、そのことを自己PRに使う人もたくさんいます。
そうすると、他の受験者と内容が被ってしまい、審査側の印象に残りづらくなります。
審査側に効果的に売り込むには他者とは違った印象、または他者を圧倒する印象を与えなければいけません。
そのためにも他の人と被りそうな内容は避けるのが無難です。
声優の自己PRではサブカルチャーがその最たる例となります。
激戦ジャンル②「歌唱とダンス」
もう一つのオススメしないジャンルが歌唱とダンスです。
現在、声優に求められるスキルとして歌とダンスは必須だと言われています。
養成所や専門学校でも、レッスン内容に組み込んでいるところが多いです。
なので、歌やダンスが得意なら大きなアピールポイントになります。
しかし、一つ注意してほしいことがあります。
それは歌とダンスの重要度が高いあまりに、自己PRの内容を歌やダンスにする人がめちゃくちゃいるということです。
つまり、同じ内容のアピールをするライバルがたくさんいるということですし、審査側としても「また歌の自己PRか…」と関心度が低くなってしまいます。
さらに、ライバルが多いということは内容のハードルも高くなります。
歌が上手いからと自己PRに取り入れても、「さっきの人のほうが上手だったな」と思われてしまうとせっかくのアピールが無駄になってしまいます。
自己PRで歌やダンスをする際は、ライバルが多いことを意識しておいてください。
「サブカルチャー」「歌」「ダンス」は避けるべきなの…?
「サブカルの話や歌・ダンスの自己PRは絶対にしないほうが良いのか?」と言われるとそうではありません。
それが武器になるなら自己PRに使いましょう。
たとえば、
- ゲームの世界大会で優勝した
- 歌がプロレベルの実力
といったレベルならば、ぜひ使うべきです。
このレベルなら他の受験者と十分に差別化が図れています。
しかし、自己PRでアピールするものが無いからと、安易にサブカルや歌唱などに手を出すのは本当にオススメしません。
審査側に良い印象を与えるのはかなりむずかしいです。
歌やダンスの披露は「お、歌ってくれるの!」というよりも、「え、歌うの?」みたいな独特な空気になることが多いです。それを覆す実力がないうちは避けるのがベターかと思います。
売り込む内容が見つからない時は「趣味を特技に進化させる」
どうしてもアピールポイントが見つからない時は、あなたの「趣味」を「特技」にしましょう。
なぜなら「趣味」を「特技」にするのは簡単だからです。
まずは「趣味」と「特技」の違いを説明します。
- 趣味 → あなたの好きなこと
例) 野球が好きです。
- 特技 → あなたの得意なこと
例) 野球が得意です。
比べると分かりますが、趣味より特技のほうがアピールポイントとして効果的ですよね。
では、趣味から特技にレベルアップするにはどうすればよいでしょうか?
答えは「好きです」の部分を「得意です」に変えるだけです。
例として、趣味が「野球」の場合で考えていきます。
①趣味から特技にかえる
簡単ですよね。次に特技だと証明する根拠を付け加えます。
「でも、もともとが趣味レベルだから根拠になるような実績が無いよ」という人は安心してください。
実績は些細な内容でも大丈夫です。
文章で盛っていきましょう(笑)
②根拠となる実績をプラスする
実績でオススメなのが「年数」や「経験」です。
年数や経験を足すだけで、内容に深みを持たせることができます。
あなたの趣味についてのことなので、ある程度の年数や経験はあるはずです。
最後にその特技から培われた能力を書いてみます。
③特技から培われた能力をプラスする
野球をやっていて、運動面に自信がある人物像ができあがりました。
声優は体育会系な一面もあるので、運動能力が高いのは良い評価につながると思います。
では、本当にこの例の人物は体力が人並み以上で運動神経が良いんでしょうか?
それは本人以外には判断できません。
なぜなら、オーディション会場で運動神経が良いことを判断する方法がないからです。
しかし「野球を10年も続けているなら体育会系だろうし運動神経も良いんだろうな」と自然に想像できますよね。
裏技みたいな手ですが、これはかなり自己PRで使える手だと思っています。
実際の事実は「野球を10年続けた」だけでも、伝え方を工夫することであなたを何倍にも大きな人物にしてくれます。
そもそも特技と趣味の境目なんて、他人から簡単に判断できませんし。
あなたが特技だと思えば、それは特技なのです。
自信をもって、趣味を特技に変えちゃいましょう。
最後にあなたの考えた特技が声優に必要なスキルと遠い場合は、審査側にその特技が声優の仕事にどう役立つのかを紐づけしてあげましょう。
④声優の能力と直結させる
これで完成です。
説得力のある自己PRになったんではないでしょうか。
もし尺が余るなら、この内容に「スポーツ全般が得意です」などと内容をつけ足すか、別の趣味を特技に変えて、特技を二つにするなどしましょう。
まとめ
自己PRを簡単に完成させる書き方について解説しました。
趣味を特技に変えることで自己PR作りは劇的に簡単になります。
自己PRで言うことがないと困っている人も、自分の趣味がアピールポイントになることに気づいていないだけです。
自己PR作りに困ったときは、ぜひこの記事を見ながらつくってみてください。
関連記事としてオーディション対策についての記事も用意しています。
よければそちらも参考にしてみてください。